一人で軽食堂で食事を取り、「あいさつにも気軽に応じる気さくな人」。自宅近くに住む子供と学校の話をし、自宅の庭でそりをしたいという頼みにも快く応じていたという。最近数年はほとんど町の外には出なかったが、教会の夕食会を気に入り、毎週土曜にセーターとコールテンのズボン姿で必ず12ドル(約1090円)のローストビーフを食べに来ていたが、昨年12月が最後だった。(共同)
最近涙腺がどうもおかしいのだけど、このエピソードを読むたびにうるうるしてしまう。
"教会の夕食会を気に入り、毎週土曜にセーターとコールテンのズボン姿で必ず12ドル(約1090円)のローストビーフを食べに来ていた"
ここがやばい。「ラースとその彼女」に出てくるような田舎町の教会で、ロースとビーフを静かに食べるサリンジャーが目に浮かぶようだ。
一番好きなのは「フラニーとゾーイー」。わたしはいまだに十代のフラニーのように、現実と折り合いがつけられずにおり、権力とかパクリとか、強いものが弱いものから搾取するようなやりかた(村上春樹のいう"壁")に怒りを覚えたりしている。そんな時には呪いの言葉をかけたくなってしまうのだけど、いつもゾーイーが「女の子らしい銃の撃ち方をおぼえなきゃだめだよ」と言ってそっと止めてくれているような気がするのだ。
ありがとう、サリンジャー。
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