2013年7月16日火曜日

どこまで人間は他人とコミュニケーションできるのか

この前アメトークで「結婚したくてしょうがない芸人」をやってて、 いやあ、わかるなあと思いながら見ていました。 そこで、「僕の理想の結婚生活の一コマ」みたいな妄想シーンがありました。 夜中に嫁が自分が出ている番組を録画しているコレクションを見て 「やっぱり◯◯が一番面白いわ〜」って言ってるのとか、 「ご飯食べてから遊びなさい!」って息子と一緒に怒られるところとか、 みんな思い思いに結婚生活を妄想していたんです。

そこで自分は何を結婚生活に妄想するかと考えた時に、ある光景が浮かびました。 それは小田急線の駅のホームで並んでいた時のこと、 前にいるのは60代ぐらいの夫婦。 旦那さんのほうが、奥さんに「水ある?」って聞いたら、 奥さんはカルディで売ってるみたいな、180mlくらいしかない ペットボトルの飲みかけの水を旦那さんに渡して、 旦那さんはそれを飲み、ちょっとだけ残ってる段階で奥さんに 渡そうとした。そしたら奥さんが「もう全部飲んで」って旦那さんに言って 旦那さんは返事もしないで全部飲んだ。 奥さんはそのペットボトルを受け取ってカバンにしまった。

独身の人が喉が乾いたと思ったら、「喉乾いた→水はカバンの中にない→ 後ろにある自動販売機で水を買って飲もう」と考えて自販機のボタンを押す。 ところが、夫婦というものは「喉かわいた→隣の人に持ってるか聞く」というのが あって、それはすごいコミュニケーションだなと思う。もう、脳が地続きみたいな。

私はいままでろくにシリアス・リレーションシップというものが 出来た試しがない(おそらく自己評価が低いことに起因する、 恋愛における一対一のコミュニケーション能力の低さによる)。 そういう人からすると、もう脳が地続きみたいな関係性を築ける人が うらやましいことこの上ない。

人間が他人と出来る限り深いコミュニケーションを取りたいと思ったときに、 果たしてどこまで他人と分かり合えるのか。そういう境地になった時に、 自分自身を手放すということによって 何を得るのか。そしてどのような過程によってそれが行われるのか、 みんなどうやってそんなことをやってのけているのか。

ということで、結婚したくてたまらない芸人にはそういうシーンを追加して欲しいと思いました。

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