コッポラが映画化の案を練っていると知り、遠藤周作の「沈黙」を読み始めた。
キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。
とのことだが、30ページ読んだ時点で悲しみのためにもう胸が張り裂けそう!!!!なぜいるのかどうかもわからない「神」のために人はここまで自分を犠牲にできるのか?そして迫害する方はなぜここまで残忍なことができるのか?信仰を持たないから、人を人とも思わないのかしら?
希望など一片も見えない重く苦しい時間が過ぎる。この世界には悪魔のように残忍な人間がいる。彼らは利己的で排他的で、自分の身が軽くなるためなら病人にだって平気で重荷を押し付ける。それも狡猾に。
しかしそのいっぽうで、ほんのわずかな希望が見える瞬間がある。他人のことを思って自分を犠牲にできる人間がいる。善良な心を持つ人間が確かに存在する。その事実だけで、人間は信頼するに値するという気持ちにさせてくれる。絶望に満ちた世界に希望の光が差し込んでくる。極端にいうとそんな感じ。
ってまだ60ページしか読んでないのに!!衝撃の連続で読み進めるのが大変。全部読んだらいったい自分はどうなってしまうんだろう。遠藤周作の日本語がよどみなく美しいので、どこまででも読み進められるのがすごい。遠藤周作最高!!!
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