2012年10月20日土曜日

日の名残り

さいきんtwitterが面白くないので文庫本の翻訳小説を読んでいる。とっても面白い。なかでも面白かったのは、カズオ・イシグロの「日の名残り」。イギリスの名家の執事の話。職務を全うするプロ意識や、「品格」など、もろもろに遠藤周作の「沈黙」以来の衝撃を受け、以後わたくしのバイブルの一冊となるだろう作品だ。主人公の執事スティーブンスはものすごく真面目な人物で、職務を全うしようとするあまりに家族も恋も全てなげうって主人のために尽くす。それが人の人生として正しいのか間違ってるのか、わたしにはまったくわからなかった。そしてそれは文中にも書いてあったけどイギリス人(か日本人にくらい)しかできない気がするし、だからカズオ・イシグロがこれを書けたのか、とか、そういう国民性ってなんだろな、とかとにかくいろいろ考えさせられた。

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