この記事の中で紹介された昨年のマンハッタンの48歳のゲイ男性のケース。彼の著書である『中年ゲイ男性のハッピーライフガイド(キャシー訳)』という本の発売があと数週間だったのに、突然自殺をした。格好良くて、人気もあって、キャリアにおいても成功してた彼の自殺はショッキングだったらしい。
っていう鬼火かよみたいな話だけどこのおじさんの気持ちわかるな。彼はパーティで楽しそうに過ごしているように見えていたけど、すさまじい孤独感に苛まされてたのかも。なぜならパーティにはいつも終わりがあるし、自分以外の人には帰る場所があって、それぞれの場所に戻っていく、ように見える。パーティによって孤独感がなくなるなんて人はケータリングの業者ぐらいだろう(彼らは仕事が得られるから)。
孤独感というのは、いつもどこからともなくやってくる。窓をぴっちりと閉め切っていても、煙のように忍び寄ってきてはまとわりつき、まるで親友のような顔をしてぴったりと寄り添い、そして彼の首をキリキリと締めつけて死の淵へと追いやる。パーティじゃなくったって、友達とランチをしていても、仕事の打ち合わせをしていても、ただ道を歩いていても、ずっとその感覚から逃れることはできない。
孤独感というのはいったいなんなんだろう?起こってもない未来のことに思いを巡らせて勝手に悲観してる意味のない考えだし、飢えも危険もない恵まれた状況でないと出てこなさそうだし、自分の将来は虚無だと考えるのは、何かが起こるから準備しなくちゃいけないという建設的な考えよりも楽なので、逃避の手段でもあるのかもしれない。
孤独感の泥にまみれ苦しむ人に出来ることは、自分に唯一寄り添ってくれる存在である孤独感を無情に剥ぎ取り、平常心を身につけることである。人間は、何かを得るために一歩踏み出さねばならないし、もし求めるものが得られなくてズタボロの血まみれになったとしても、それでも平常心を持って生き続けなければならないと覚悟を決めなくてはならない。そしてそれは温かく湿った孤独感に包まれているよりもずっと気持ちがいいことだと思う。
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