2008年9月25日木曜日
ハルチン 2 を読んで超ブルーになった
「痛々しいラヴ」や映画化もされた「blue」とかで絶大な人気を誇ったマンガ家魚喃キリコの描く女子の日常漫画「ハルチン」の第2弾「ハルチン 2」をかなり前に買いました。
なんと1巻が出たのは10年前。主人公のハルチンは雑貨屋で働くフリーター。ビールとたばこが大好きで、ボーイッシュな外見と男前な性格のためモテとは程遠い人生を送る彼女。真冬にこたつでおでんとビールを楽しんで人生をエンジョイし、仕事はバイトなのでテキトーにやりすごし、服やおもちゃを衝動買いして給料日までヒイヒイ言って過ごしていました。そんなハルチンを優しく見守るのが仲良しの女の子、チーチャン。ハルチンとは正反対にフェミニンなチーチャンには彼氏がおり、ハルチンに「ペペロンチーノのにんにくの芽を取るかでケンカしたの」と相談したりして。ハルチンとチーチャンはちいさな幸せをかみしめながら、つつましくも楽しくすごしていました。
それから10年。続編でも10年の時が経っているらしく、ハルチンはスタンスも性格も前作と変わらないのですがチーチャンのほうは全く変わっていました。同じ雑貨屋で働いているもののいまだバイトのハルチンをおいてチーチャンは正社員に。で、チーチャンがハルチンに怒る怒る。「この道楽人生」とか「あんたが本気だかよくわかんないわ」とか、まるで鬼のようです。そんなチーチャンに「チーチャンて…老けた?」と胸のなかでつぶやくハルチン。読んでいるほうが落ち込むぐらいうすら寒い状況が続きます。
なぜなら1巻の時にくらべて、エピソードを語る力がべらぼうに落ちてるからです。以前は2,000円のうめぼしを買ったら1500円のうめぼしをみつけて、くやしいから1500円のもたくさん買っちゃった、みたいな日常トークがあって、それが魅力だったのですが、2巻ではハルチンが何かを言うとチーチャンが「年を取った」と怒るだけというワンパターン。なんだか愚痴をひたすら聞かされているように感じます。ていうかあれです、オバケのQ太郎の未来の話「劇画・オバQ」を読んでいる気分です。
しかし何より不安になったのが、一緒に収録されている「ナナナン」という「ハルチン」の主人公が作者自身になっただけの作品。こちらではひたすら「お酒を飲みました」しか語られない…。昨日友達と飲みに行ってすごく酔っ払っちゃってさあ、って話を誇らしげにして許されるのは学生のうちだけです。そういう話でなんで誇らしげなのかもよくわからないですが…。中島らもとか「失踪日記」ぐらいまで行けば立派ですが、ふつう体が持ちません。
えらく長くなりましたが、一言で感想をいうとすれば「買うな」ですね…。魚喃キリコの熱狂的ファン以外にはおすすめしません。もっとがんばってください。
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2 件のコメント:
確かになんか「練られた」感じはなかったなあ・・・。でも私はチーチャンがハルチンのカウンター的役割からほぼ同類になっているのを見て、逆にチーチャンをメインで考えたら面白く読めました。
巻末のアレはほとんど読んでない、というか読まなくて良いですよね。
<TDせんせい
ごめん。わたしが大人げなかったです。チーちゃんメインでよんでみる!ごめんよ、ちーちゃん、、
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