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タランティーノの最新作「イングロリアス・バスターズ」を見た。これって1978年のイタリアの戦争映画「地獄のバスターズ」のリメイクなんですね。
クエンティン・タランティーノ監督、ブラッド・ピット主演による破天荒な戦争アクション。第2次大戦中のフランスを舞台に、ドイツ軍を恐れさせた連合軍のならず者たちの活躍を描く。
てことなんですが、B級スプラッタとヨーロッパ映画を足してハリウッド映画のギャグを入れたすごい映画。テーマは思いけどテンポがいいし内容濃くて、2時間半あっという間。
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冒頭、ユダヤを匿う農夫にナチスの軍人が言う台詞が印象的だった。
「ネズミを見るといやな気分になる。どうしてかね?リスだって病気を持っているかもしれないのに、リスにはそんな感情を抱かないだろう。ネズミは卑しい生き物なんだ。我々がユダヤに抱く感情はそれだ」
みたいなことを言うんですよ。いままでどうして民族紛争とかが起きるのかわからなかったけど、そういう心境がこの言葉でわかった。タランティーノのおしゃべり、やっぱりハンパない。人生を変えてくれる。
この映画ではナチスがボコボコにされるんだけど、ナチスも人間だよなあ、とか思うと悲惨さばかりが残る。イーライ・ロスがユダヤ人で、タランティーノにユダヤのつらい歴史を教え込んでこういう演出になったそうだ。映画では復讐が描かれるが、この映画自体がユダヤ人の復讐なんだろう。プロパガンダ映画をこんなにポップにしてしまうタランティーノはやっぱり凄いと思った。でも頭の皮を剥ぐのはちょっと・・!
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