「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟最新作。去年劇場で見逃したのでDVDで見たのですが劇場で見るべきだった。これはすごい映画ですね。マトリックスを初めて見た時と同じくらいのショックを受けた。
人物以外の背景とかがほとんどCGなのですが、そのCGがピエール&ジルみたいにカラーバランスが狂ってて必要以上にキラキラしてるんです。それが2時間ずっと続いてて、話が進むごとにどんどん派手になっていくんですよ。
演出が凝りに凝りまくってて、この二時間に300個くらいのアイデアが詰まってるんじゃないかとびっくりする。人が右から左に歩けばいいだけなのに、なぜか顔がドアップになって背景やら次のシーンやらのレイヤーが右から左からガンガン流れてきて、気づいたら場面転換してるみたいな、隣のコンビ二に行くのにドラアグクイーンの扮装してるような、とにかく過剰でコテコテでドラッギー。どうなってんだ!!!!
でも車が飛びながらひっくり帰ったりするとことか、走るスピード感とか、動感がものすごく気持ちいいとこはやっぱマトリックスの人だなあと思い出した。Vフォーヴェンデッタがふつうの映画だったのですっかりみくびっていました。
昔の映画で、今もインスパイアしてくれる名作とかってあるじゃないですか。メトロポリスとかラ・ジュテとかチェコアニメとか、今見てもその異形さに頭が下がるような作品。このスピードレーサーもそういう作品になるんじゃないかと思います。宇宙人が来て、「CGってなに?」って言われたらこれを見せるとか。ピクサーがドラアグクイーンになった感じっていうか。ウォシャウスキー兄弟はやっぱりすごかった。マンガを読んでる感覚が映画にそのまま移植された感じ?映画でしかできないってこういうことじゃないかと思った。
2008年のベスト映画ランキング、アイアンマンを蹴落としてこの作品が(勝手に)心の殿堂ベスト3入りされました。アカデミー賞に一つもひっかからなかったのも、ラジー賞にノミネートされたのも納得できーん。
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